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九州大横断-婚約指輪編

結納とかをしない代わりといっては何だけど、婚約指輪はちゃんと用意した。それもありものではなくて、数あるダイアモンドの中から、小粒ではあるけれど、トリプルエクセレントのダイアモンドを選んだ。それを指輪にするまでには、1ヶ月丁度かかる。

立て爪だけれど、小粒なので、それほどでっぱっちゃいない。こういうでしゃばらない控えめなタイプは好きだ(笑)もっとも彼女の細い指には大きな粒のダイアモンドを似合わなかったから、これがちょうどいい。そのダイアモンドの両脇にかわいらしいピンクダイアモンドが暖かく添えられているのがいい。

さて、その指輪を本来ならプロポーズのときにサプライズプレゼントとすてきな演出を考えていたものの、どういうわけか、彼女の家に両親を紹介するというタイミングで指輪もできてしまったことから、結納式の代わりに指輪式と言う位置づけで、今回の旅の大きな大きなイベントとなったわけだ。

彼女は右隣に座っていて、食事もデザートも食べ終わって、早く出してよと言わんばかりの彼女に促されて、やおらピンク色の箱を取り出して、指輪を披露した。その指輪に輝くダイヤモンドはほんとうに驚くほど光を発していた。青い輝きを指輪に灯している姿はまるで青い鳥がとまっているかのようだ。その指輪をぼくは右隣にいる彼女の左手をどのようにしたら指輪をはめることができるのだろうとちょっと混乱した。でも、案ずるより産むが易し、彼女の方がちゃんと指輪を持つぼくの目の前に手を差し出してくれたのでスムーズに彼女の薬指に滑り込んだ。まさしく、自分のご主人をわかっている子犬のような感じだった。

彼女の指により輝きを増して見えた。彼女の微笑みとそのダイアモンドの光がまぶしく見えた。

by knazy | 2005-09-02 00:15  

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