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こまったらなめろ

さすらいのジェニーを読んでいます。
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猫は高度なコミュニケーションを身につけているなあとあらためて思います。

かなり引用してみます。
「こまったらなめろーそう、いついかなるとき場合でも。これが第一原則よ」とジェニーは言った。




中略

「どんなまちがいでもいいのよ。あなたがもし、なにかまちがったことをしでかして、だれかにしかられたりしたら、からだをなめること。」ジェニーはつづけた。「どこからすべっておっこって、ひとにわらわれたら、なめるの。ひとに悪口を言われてむらむらってしたら、なめるの。そして言いかえす文句が頭に浮かぶまで、それをつづけるの。いいこと、どんな猫でもかならず、ひとがからだをなめているときは遠慮しなくちゃいけないのよ。それが、あたしたちの社交上の第一原則なの。あなたもぜひ守らなくちゃいけません。

いついかなる場合でも、こまったときにはからだをなめさえすれば、なんとかなるものよ。見も知らない人が大ぜいいる部屋にはいったとするでしょ。どうしていいかわからなければ、部屋の真ん中にすわってからだをなめだしてごらんなさい。そうすると、みんなは話をやめて、あなたに注目するというわけよ。なにか音がして、どきっとして思わずとびあがったとする、おまけにそこをだれかに見られたとする、そしたらおおいそぎでからだをなめだしてごらんなさい。

中略

ああ、かぞえきれないわ。戸がしまってだれもあけてくれなくていらいらするでしょ。そしたらからだをちょっとなめれば、そんなこときれいにわすれてしまうわ。だれかがあなたの目の前でほかの猫や犬をかわいがっていて、しゃくにさわることがあるでしょ。そしたらからだをなめながら、知らんふりをしていればいいわよね。悲しいときもそうよ。気ののらないときにだれかに抱かれて、しかもその人のにおいがいやなら、すぐさまその人の目のまえであからさまにからだをなめだして、追っぱらえばいいの。なにか気分が動揺してこまるとき、なめればおちつくわ。いつ、どこで、いかなる場合でも、どんなやりかたで、どんな目的でも、万事につけて気分を変えようと思うとき、もしくはちょっと立ち止まってゆっくり考えたいような時、ーそうなめることよ」

長かったな。たしかに猫を観察しているとそうだなあと思う。ポール・ギャリコはほんとうに猫好きなんだなと思ったよ。

by knazy | 2004-09-23 15:03 | ココロのカタチ  

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